2015年3月26日木曜日

Perpetual / Ryuichi Sakamoto, Taylor Deupree, Illuha (2015)




坂本龍一と、アメリカ・ニューヨークのエレクトロニカレーベル・12kを主宰するテイラー・デュプリー、そして12kのアーティストであるILLUHA(コリー・フラー&伊達伯欣)の3組によるコラボライブの音源。
録音は2013年夏に山口・山口情報芸術センター(YCAM)の10周年記念イベントの一環として行われた、ピアノ、ギター、オルガン、シンセサイザーを使った4人の即興パフォーマンスより。
「永久の」を意味する「Perpetual」と名付けられた本作は、シンセサイザーや加工されたギターの柔らかな音色によるアンサンブル、プリペアドピアノのサウンドが静かに漂うセクション、フィールドレコーディングとともに紡がれていく繊細な美しいピアノのララバイという、3部構成で静かに、そして美しく展開していく。





The Blue Notebooks / Max Richter:(2015)






映画音楽だけでなく、ポスト・クラシカルのアーティスト、プロデューサー、作曲家として高い人気を誇るマックス・リヒターのソロ2作目。カフカの“The Blue Octavo Notebooks”と、チェスワフ・ミウォシュの“Hymn of the Pearl and Unattainable Earth”よりインスピレーションを得て作曲された作品群。この作品の基調となるのはチェロにヴィオラ、ヴァイオリンといった弦楽器とピアノで、絶望的な悲しみや重苦しい不安を掻き立てる陰鬱な旋律が全編を覆っている。
この録音はオーディオファイルとしても素晴らしく、地鳴りのような低音は圧巻。














Comme des Garcons 2015 F/W Collection. music by  Max Richter

2015年3月14日土曜日

Wallflower / Diana Krall (2015)




JAZZシンガー、ダイアナ・クラールの2年ぶりの新作は、巨匠・デイヴィッド・フォスターとタッグを組んだポップス・カヴァー作品。
1960年代後半から現在までダイアナにインスパイアを与えてきた永遠に輝くポップ・ソングの数々をフォスターの豪華アレンジで歌う。
"デスペラード""アイム・ノット・イン・ラヴ""ドント・ドリーム・イッツ・オーヴァー"など日本でも長年愛されているナンバーの数々をデイヴィッド・フォスター一流の壮大なアレンジで美しく歌う。






2015年3月8日日曜日

SLEEPSTEP / DASHA RUSH (2015)

実験テクノシーンで大きな注目を集めるFullpandaレーベル主宰のロシア人女性エレクトロニックミュージック・プロデューサーDasha Rushの作品。
本作は「sonar poems for my sleepless friends」(眠れない友人達のための水中音波探知機のポエム)というサブタイトルがあり、アルバムのコンセプトにもなっている。ミニマルでエクスペリメンタル、そしてダビーでインダストリアルな様々な表情を持つアンビエントサウンドと、複雑なビート、ポエトリーリーディング、またピアノや賛美歌などのクラシック的な要素を、水中探査機が巡る深い海を連想させるような神秘的な雰囲気をまとわせながら繊細にコラージュさせた、非常にシネマティックな内容。







RADIO VIETNAM / MARK GERGIS (2015)



今やSUBLIME FREQUENCIESの中心的存在として活躍するMARK GERGISによる、SFには欠かせない久しぶりのラジオ・コラージュ・シリーズ2015年新作のべトナム編。
東南アジア各地を転々としながら興味のアンテナを張り巡らせ続けている希代の音楽発掘人MARK GERGIS。2013年12月から14年11月にかけハノイとホーチミンを中心に長期間滞在し、政府系、独立系、マスメディアに海賊局と、各所から流れてくるAM/FM電波に耳と神経を傾け続けること一年近く、、。 
数少ない少数民族系の放送から全土にはびこる西洋化しきったポップ・ステーションに偏在する地方局まで、音楽、ニュース、トークショウ、CM、混入するノイズ音、、、等々をすべて平等に取り上げ、切り取り、淘汰し、関連付け、組み立てる途方もない作業の末に完成した本作は、70分に及ぶ新たな創造的プログラムとして改めて全世界に提示される。 
エレクトリック・ギターから一弦楽器ダンバウ、ニューウェーヴ風味にヒップホップ、中華風に西洋風、ヴォーカルチャントに子供ヴォーカル、カラオケ・シンガロング、伝統打楽器に打ち込み、ラジオジングル、コメディ、英語番組に早朝のエクササイズ。民俗音楽、伝統音楽、ポップ・ミュージックが混在融合異化昇華変容したもうひとつのべトナムの生。
生真面目な民俗学や現代ヴェトナム研究には決して使えないエキサイティングな新発見満載です



Obaa Sima / Ata Kak (2015)





ガーナ出身のAtta Owusuによるソロプロジェクト。トロントに移住し乳飲み子を育てながら自宅のリビングルームやお風呂場で一人で音楽制作に没頭する。
1994年にガーナとカナダだけで”Obaa Sima”のカセットテープを50個リリース。ラップ、シカゴハウス、ファンク、ポップス、そしてガーナ発祥のハイライフの要素がちりばめられたマジカルな作品!
今回初CD化!!1994年にガーナでこんな音楽が生まれていたことは奇跡に近いし(ビースティ・ボーイズと同じ時代です!!)こういう辺境系の音楽ってやっぱり面白いです。



Panda Bear Meets The Grim Reaper / Panda Bear (2015)



アニマル・コレクティヴの創始者パンダ・ベアことノア・レノックスによる3年ぶりのソロアルバム。
サイケデリックでキャッチ―で最高も仕上がり。アニコレファンは必聴。